BABY in ME+サポーターズ Vol.1
「新緑のレクチャー&コンサート」(2006年5月18日)
開催レポート!
2006年5月18日 横浜の大倉山記念館ホールで、かねてからBABY in MEを応援くださっているサポーターズのみなさん:作曲家・ピアニストのササマユウコさん尺八奏者の坂田梁山さん開業助産師・高橋なぎささん、はじめサポーターズの皆さんと、楽しいイベントを開催しました。
タイトルどおり、染み入るような新緑に包まれた当日の大倉山記念公園。
会場の大倉山記念館は、この公園の中にあります。
まだ0歳の赤ちゃんから、子ども達、年配のご夫婦まで、約60名の方がお見えになり、会場はほぼ満席に。
なかには、男性お一人でお見えになられた方も、複数いらっしゃいました。
会場となった大倉山記念館は、丘の上に立つロマンチックな洋館。辺りが夕暮れに包まれる頃、ステージの幕が上がりました。
第1部
第1部は、開業助産師の高橋なぎさ先生が、お産のお話をしてくださいました。「命は生まれ継がれてゆく」こと、「お母さんのからだから命が生み出される瞬間」のことなどを感動的なエピソードを交えながら、楽しくやさしくお話くださいました。・・・詳しい内容はこちらをご覧ください。
第2部
第2部は、ピアノ:ササマユウコさんと尺八:坂田梁山さんによるライブ演奏を行いました。それぞれ子育て中の母親と父親でもあるお二人。演奏の合間には、ご自身の体験談や想いなどを語ってくださいました。・・・詳しくは、こちらをご覧ください。

<終了後のアンケートより>


・1曲1曲、思いが伝わる、いいコンサートでした。

・手作りの素朴な催しで、とてもよかったと思います。

・妊婦に良さそうと漠然と参加したのですが、実際、音楽を聞いているだけで涙がとまらなかったので、本当に体と心に効きました。

・音がきれいで、思わずうるっときました。

・あたたかな気持ちを持つことができました。ありがとうございました。今後も、このような時間を持てたらいいなと思います。

・継続は大変だと思いますが、年1回でも、定期的にこのコンサートを開くと良いと思います。

・子供の時にこんなお話きいていればよかったと思いました。ピアノと尺八の構成と楽曲、そして音色もとてもよかったです。

・抱かれている赤ちゃんが、演奏中はご機嫌で、終わると泣いてしまったことが印象的でした。胎教だけでなく、赤ちゃんにとっても良い刺激になっているのを実感できた。

・ピアノと尺八という組み合わせが意外だけれど、とても良かったです。ササマユウコさんのお話も気取らない、共感できる内容ばかりで楽しかったです。

・子どもたちは、「気持ちが良くて、寝てしまった」そうです。それから、「尺八に触ってみかった!」とも言っていました。建物にも興味をもっていたようで、キョロキョロしていました。

・私はもうすぐ6才と4才、1才の3児の父で、福岡出身の妻は国分寺の助産院で下のふたりを産みました。逆子だったために病院で産んだ長女を含め3人とも立会い、2人のへその緒は私が切りました。そのため助産師さんの話は実感としてあり、その流れで「朧月夜」や「故郷」とくると、うるうるするものがありました。

            ・・・プログラム・・・
                 (19:00〜20:30)

      第1部 助産師・高橋なぎささんのお話
       「楽しい!ハッピー!お産の話」


      第2部 ササマユウコさん(ピアノ)
            &坂田梁山さん(尺八)のコンサート


             <演奏曲目>
                 ★印をクリックするとMP3ファイルが開きます
             春通信(オリジナル曲)
             月花時計(オリジナル曲)
             光る庭(オリジナル曲)
             ゆりかごの歌
             故郷
             朧月夜
             空の終わりはどこ?(オリジナル曲)
             祝福(オリジナル曲)
                               
  


第1部 助産師・高橋なぎささんのお話
  「楽しい!ハッピー!お産の話」

都築区で『ママスハウス』という助産院を開設しております高橋なぎさと申します。
今日は小さいお子さんから、妊娠出産は遠い昔のことだったかしら?なんて思われる方もいらして、嬉しく思います。
人は、生まれ‘継がれてゆく’ことを日々実感しています。
人が生まれる、というのは、その一世代で終了してしまうものではなく、生まれ継がれていくものかと日々感じています。

実は今日も男の子が生まれてきたんですけれど、私が普段お世話させていただいているお産っていうのは、いわゆる、現代の一般的なお産ではなく、全出産数のほんの2%のお母さんたちにかかわらせていただいています。自宅や助産院で、家族や気持ちの安らぐ人とともに行うお産。

全出産の2%ですから、たぶんほとんどの方が経験しないかもしれないと思われますので、少しご紹介したいと思います。

妊婦さんの好きなようなスタイルで…
私が普段かかわらせていただいているお産というのは、本当に妊婦さん産婦さんの好きなように過ごしていただいています。

分娩台もありません。普段ご主人と過ごしていらっしゃるお布団であったり・・・そのような場所で出産されます。

ご主人だったりお母さんだったり、ご両親だったり、普段そばにいらっしゃる方が回りで励ましてくれることがとても良いのです。

今朝のお産も、お母様が、そばについていました。不思議なもので、産んでいるご本人よりも、周りの方の方がやや頑張りすぎのところも見受けられて…。本当に「おばあちゃんが産むの?」というくらい張り切って声を出したり、体を動かしたりされていました。
自分のからだから命を産み‘出す’
お産のときに産婦さんはよく体を動かします。自分の体から、まさに命を産み、出す、という感じです。

お産のことをよく、「鼻からスイカがでるくらい」に痛いとか辛いとか表現をしますが、鼻からスイカが出るのではなく、体から赤ちゃんが産み、出る、というときには、もう体が踊るんですね。お産というのは本当に産婦さんの踊りだと思うくらい、体が踊ります。この踊りに合わせて、赤ちゃんも生まれてくる。

へその緒の、どくどくどくとした発動と、発動が止まっておへそを切る
。感動の瞬間!
赤ちゃんが生まれたときに、へその緒を切る前にお母さんの胸に抱いてもらうんです。へその緒を切る「前」というのが大事なポイントなんです。

まだへその緒の、どくどくどくとした発動を自分の体で感じたら、そしてへその緒から赤ちゃんに向かう発動がどくとくと、自分の体から出た発動が、止まって、初めておへそを切る。とても感動的な瞬間です。

そういう赤ちゃんは、案外泣かないんです。
テレビで見るような、分娩室のランプが消えると同時に赤ちゃんのオギャーって泣き声が聞こえて・・・っていうようなシーンが、ドラマなどに出てきますけれども、実際は、そうではありません。

赤ちゃんは、不満だから泣くんです。
断ち切られたへその緒、その瞬間に、今まで体内でずうっと母に守られていた、その安定感から断ち切られた、不安、で泣くんです。
生まれた赤ちゃんを胸に抱いて、お母さんがしっかり抱きしめれば、赤ちゃんはあまり泣きません。

へその緒を切って、お母さんから赤ちゃんを離し、オムツをあて、お洋服を着せ、その瞬間から泣きはじめます。もう親から離されたときから、高らかに、元気良く、泣きます。
そしてお着替えをしてお母さんの胸元に戻ったときには、また泣き止みます。
産まれたお母さんは、その時、「ああ、この子は私がそばにいないとこんなに辛そうに泣くんだ。私がそばにいないと、この子はダメなんだあ、ああこの子には私が必要なんだ。」と感じます。

赤ちゃんとお母さん、お互いの関係で母性がつくられていく
女性は産んですぐ母性がみなぎるわけではありません。
子供にとって私が必要、私にとって子供が必要と、こういう、お互いに必要としている関係が、日に日に作られていき、母性が湧きたっていきます。
大切にしたい、大切にされたい…次の世代へと受け継がれてゆく「いとおしい」気持ち


子育てをするときに、自分の体の声を聞いてください。
お父さんになったときに自分の体から湧き上がってくる父性に、どうぞ気づいてください。

子供さんができたとき、自分の体の中から湧き上がってくる、おじいちゃんの気持ち、おばあちゃんの気持ち、いとおしいと思う気持ち、大切にしたいと思う気持ち。
そして、相手からも大切にされたい、自分のことを大切に思ってくれているという気持ち、・・が、つながりあって、人と人とはかかわっていき、次の世代へ次の世代へと気持ちが受け継がれていくものだと思っています。


みんな、おなかのなかにいる時から大切に思われて生まれてきた

(会場の子どもたちへ語りかけて)
みんなが産まれてきたときに、本当に大切だと思われて、産まれてきたか。

お母さんだけじゃなくお父さんだけじゃなくおじいちゃんおばあちゃん・・もしかするとお隣の人やご近所の人や・・もしかすると見ず知らずの人まで。
お母さんがおなかが大きくて街を歩いているときに通りがかりの人が、妊婦さんだ、おなかに赤ちゃんがいる人だ、大丈夫かな?階段大丈夫かな?坂道大丈夫かな?

そうやって、ふと思ってくれただけでも、どんなに大事にされていたか。
見ず知らずの人からも、そうやって、おなかの中にいるうちから、大切に大切に思われて、みんなが生まれてきたのね。


その気持ちを、次の子どもたちへ受け継いでいけたらいいですね
その、自分のことを大切に思ってくれている気持ちを、また今度は大きくなって、また素敵な人と出会って、そして命を育むときに、またその気持ちをその子供に受け継いでいく。自分がしてもらったのと同じように、自分が感じたのと同じように、受け継いでいけたらいいなーっと思っています。

思い出してみましょう…生まれてきた、あの日のことを

最後に。目をつぶって感じてみましょう。−全員でイメージング−

遠い遠い昔・・
自分がおなかの中に、母のおなかの中にいた頃のこと・・

目をつぶって思い出してみましょう。

あたたかーい羊水の中で・・・母の手を感じ・・・母の鼓動を感じ・・・
生まれ出る日を・・・その日を・・心から待って・・
会いたかったぁ・・・
この人がお父さんなのね、この人がお母さんなのね・・・

生まれてきた、生まれてきてよかった。

そう思って生まれてきた日のことを思い出してみましょう。

ありがとうございました。
それでは、このあと素敵な音楽を聴いていただき、皆さんの気持ちがわたあめのように溶けて帰っていただくことを願っています。


第2部  ピアノと尺八による『夜の緑の深呼吸ライブ』
ライブ演奏の合間合間に、
それぞれ子育て中の母親、父親としての体験談や思い出などを
楽しく語ってくださいました。
また、ステージ後方には、版画作家:小平彩見さんが曲をイメージして制作された作品をプロジェクター投影。演奏を華やかに彩りました。

ササマユウコ)
BABY in MEが正式に発足する前から村松さんの活動を知る者のひとりとして、今回サポーターズ第1号に名乗りを上げさせて頂きました。

実は私自身も5年前に娘を出産して、実際にBABY in MEマークのお世話になったひとりです。村松さんは当時からコツコツとおひとりで活動されていましたし、私自身もちょうど一人でレーベルを立ち上げたところで、BABYの活動は常に他人事とは思えないところがありました。今回縁あって、自分の音楽とBABYの活動が結びついたことを嬉しく思います。


またさっき楽屋で伺ったところ、尺八の坂田さんと前半でお話された助産師の高橋さんは偶然同じ大学に通われていたとのこと。今日のイベントが様々な縁が結びついて成立したんだなと、なんだか不思議な気もします。

<♪「故郷」演奏>

ササマユウコ)

私はこの曲(♪故郷)を聴くと一昨年に94歳で亡くなった祖母と、現在も98歳で元気に暮らしているもうひとりの祖母の顔が浮かんできます。そして二人とつながっている自分を感じます。

よく「人間は生まれるときも死ぬ時もひとりだ」という人がいますし、私自身もそんな風に思っていたひとりでした。けれども実際に子供を出産して「この世にひとりきりで生まれてきた人間はいない」ということを強く実感しました。
胎内で育てて生んでくれた母親とのつながりはもちろん、その母親にもまた親がいます・・・町を歩いている人、電車に乗っている人、とにかくみんなお母さんから生まれてきて、また誰かとつながっている。そういう当たり前の事がくっきりと意識できるようになって、なんだかすごい!と思うようになりました。
もちろんお父さんの存在も忘れてはいけませんね(笑)。そういう自分の中の「意識の変化」も、今回サポーターズをやらせて頂きたいと強く思った理由のひとつです。


BABY in MEのマークには可愛いハートがついています。妊娠初期の胎児はちょうど大豆くらいの大きさですが、もうちゃんと心臓が出来て動いている。それはとても感動します。今は精度のよい超音波カメラ等で胎児の成長を初期からはっきりと見届けることが出来ます。

大豆くらいのちいさな体についている心臓の音。想像するだけで愛おしい気持になります。


<♪「月花時計(オリジナル曲)」演奏>

ササマユウコ)
この曲(「月花時計」)は、妊娠8ヶ月の時に病院で初めて胎児の心臓の音を聴いた経験から作りました。
おなかに聴診器型マイクを取り付けると、自分が横になったベッドの頭の上にあるスピーカーから心音が流れてきます。赤ちゃんの心臓の音というのは、予想以上に早くて、本当に「トコトコトコトコ」している。
自分の心音とは明らかに違うリズムが、自分の体の中から聴こえてくるというのは非常に面白い体験でした。

今でも時々娘の胸に耳をあてて心臓の音を聴かせてもらうのですが、子供の心拍数はやっぱり早くて愛おしい音がします。
生意気な口をきいても、あの音を聴くと、まだまだ守ってあげなくてはいけない存在だと、ちいさな命の尊さを実感します。

坂田さんは、奥さんが、おなかが大きいときは?

坂田梁山)
おなかに手を当てて、おなかが動くのを確かめましたね。

男性にとっては、どうしておなかが動くんだって、ちょっと得体の知れない感覚で。やはり男親というのは、こどもが生まれて初めて実感がわくものですね。
僕はちょっと小指が曲がっているのですが、生まれた子供の小指がやっぱり曲がっているのを見て、あぁ僕の子供だって嬉しかった記憶があります。

<♪「光る庭(オリジナル曲)演奏>


坂田梁山)
子育ては「はじめが肝心」だと痛感してます。
とにかく大変です、うちは家内も働いているので。

はじめは何をしていいのかもわかりませんでしたが、手伝えることから始めてみると家内がすごく嬉しそうにしてくれたんですね。
ありがとう、助かったって。その時に「あ、ちょっとしたことでいいんだな」と気づきました。
そうしたら嬉しくてニコニコする顔が見たくて、つい手伝ってしまって・・・・今では手伝わないと機嫌が悪いという逆転現象になってますが(笑)。

でもそうやって助け合うことが夫婦ですし、子供たちにとっても母親、父親両方の視点から褒めたり叱ったりという経験が必要だと感じます。


ササマユウコ)
育児支援については国がやっと重い腰を上げ始めたのかな?という状態ですが、会社では男性が気軽に育児休暇を取れないというのが現状のようですね。
妊娠は女性の人生の中でも本来特別なことではないはずですが、育児が女性に偏りがちな社会の構造上、特に精神的なハードルが高くなっている気がします。

妊娠して出産したら仕事が続けられない、ひとりで育てられるだろうかという思いで足がすくんでしまう。。社会の中に、もっと自然なかたちで妊婦さんが溶け込むことが出来れば、女性たちが妊娠を前に一大決心をして立ち止まらなくてもすむと思うのですが。


たとえば今日来ている衣装(ブラウス)はマタニティウエァです。
たまたまセールで可愛いなって手に取ったらマタニティだった(笑)。

最近は一見してマタニティだとわからない服も増えて、逆にそれが妊婦さんの気持を軽くしてくれることもあるだろうと思います。
ただ、だからこそ周囲に妊娠を知らせるBABY in MEのマークの必要性も強くなったと。矛盾しているようですが、赤ちゃんの命を守る意味では大切なことですね。

<♪「ゆりかごのうた」、♪「朧月夜」、
 ♪「空の終わりはどこ?
(オリジナル曲)」演奏>

ササマユウコ)

今日ここへ来る電車に「女性専用車両」がありました。

途中「体の不自由な男性の方はご利用いただけます」という主旨のアナウンスがあったのですが、それってとても漠然としているなと思いました。一口に「不自由」と言っても、一見してわからない方も多いわけですから。妊娠初期の女性も、同じように外見ではわかりません。

だからこそBABY in MEのバッジを見かけたら、その妊婦さんのおなかに宿るちいさな命に気づいたということ。「元気に生まれてきてね」と心の中でもいいから、その命に声をかけて頂ければと思います。

妊婦さんに限らず、人に優しい社会って、結局みんなの声(気持)のつながりだと思うのです。

最初にその一声をあげた村松さんの勇気に、あらためて感謝したいと思います。
BABY in MEのサポーターはつまり、生まれてくるちいさな命の応援団ということですものね。

<♪「祝福(オリジナル曲)」演奏>

およそ1時間半ほどの短い催しでしたが、
すべてが終了したとき会場全体が‘ひとつ’になったような
不思議なやさしい空気に包まれていたことが、とても印象的でした。
BABY in MEは、「言葉では伝わりにくいメッセージをマークで伝える」という発想からスタートした展開ですが、
こうした形−みんなで同じ時間を共有する、とでも言うのでしょうか−だから伝わる
メッセージや想いもある、ということに、初めて気づかされました。
高橋さん、坂田さん、ササマさん、また、開催を手伝ってくださった仲間の皆さん、
そして、当日、会場まで足を運んでくださった皆さま…
本当にありがとうございました!
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