産経新聞(西日本版)朝刊に記事が紹介されました!
おなか目立たない妊娠初期にも…マタニティーマーク!
(2006年3月23日)
妊娠初期は、つわりに苦しむ時期。でもおなかのふくらみが目立たないだけに、込んだ電車やバスの中で座れず、しんどい思いをした人は少なくない。そこで、妊婦であることを示す「マタニティーマーク」を活用し、周囲に理解を求めようという動きが広がっている。(岸本佳子)



マタニティーマークを考案したのは、フリーライターの村松純子さん。七年前、妊娠初期だった友人が電車の中で気分が悪くなったが、見た目では妊婦だとわからないため、酔っぱらいと間違われて白い目で見られ、つらい思いをしたという。

そこで村松さんがアイデアを出し、イラストレーターの協力のもと完成したのが「BABY in ME」=図@。
妊婦がそっと手をあてたおなかの中には、赤ちゃんをイメージした小さなハートが描かれている。
妊婦さんにつけてもらえるよう、しゃれたデザインにしたのはもちろん、マークを見た人たちに押しつけがましい印象を与えないよう気をつけた。
デザインをもとに、Tシャツやバッジ、ステッカーなどオリジナルグッズを作って販売。これまでにバッジは二万個。すべてのグッズを合計すると十万個は超えたという。自治体や企業などから、まとめて注文が入ることも。
利用した人からは「電車やバスで何度も席を譲っていただいた」「車につけていると車間距離をあけてもらえるようになった」などの声が寄せられている。

七年前にマークを作ったころは、「どうして妊娠初期が大変なの?」と周囲から尋ねられたこともある。
「この七年の間に、みなさんの意識がずいぶんと変わりました。私たちの活動も少しはお役に立てたかな」と村松さん。


恩師財団母子愛育会埼玉県支部では二年前から、「マタニティーキーホルダー」を作成し、県内で配布している。
丸みを帯びたやわらかいピンクのハートの中に、幸せそうな表情の妊婦と赤ちゃん。「おなかに赤ちゃんがいます」との文字が添えられている。
昨年は、九千個を配った。東京まで満員電車に揺られながら通勤している妊娠中の娘を心配した父親が、キーホルダーを求めて支部を訪ねてきたこともある。
「大変好評で喜んでいます」と事務局長の片柳香子さん。

第一子を妊娠中で埼玉県庁で働く村田実香さんは、マタニティーキーホルダーをカバンにつけて、通勤している。つけはじめてまもなく、バスの中で中学生の女の子に席を替わってもらった。「キーホルダーをつけるまで、そんなことは一度もありませんでした」。
冬場はコートを着てしまうと、ますます妊婦かどうかわかりにくい。それだけに、キーホルダーの存在は心強い。同支部では来年度も配布を続けるという。


実はこのデザイン、厚生労働省が募集した「マタニティーマーク」に応募し、千六百六十一作品の中から最優秀賞に選ばれた。同省で多少デザインを調整して、今月十日にお披露目された=図A。
今後は、民間、公共機関を問わずデザインを利用することができる。
同省では「ポスターを作成したりバッジをつくるなど、ぜひ活用して、妊婦さんに優しい環境づくりをすすめてもらいたい」と話している。
産経新聞(西日本版)2006年3月23日朝刊 生活面
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