妊娠初期でも一目でわかるマーク BABY in ME
「私のおなかには赤ちゃんがいます」
体も心も不安定な時期 温かい空気が広がれば・・・ |
「つわりで赤い顔をしていたら、酔っ払いだと思われた」「おなかが大きくなっていないので、席を譲ってもらえない」。妊娠初期は体も心も不安定な時期にもかかわらず、本人のつらさが周囲にはなかなかわかってもらえません。こんな“プレママ”に優しいグッズが広がっています。 |
☆★きっかけは・・・
髪をキュッとまとめた丸顔のキャラクター。手をあてた大きなおなかには、ピンクのハートマークが・・・。「BABY in ME」(ベイビー・イン・ミー = おなかに赤ちゃんがいます)というイメージマークを発案し、バッジやTシャツ、キーホルダーなどに商品化したのはフリーライターの村松純子さん(39)。「きっかけは、一緒に仕事をしていた友人の妊娠体験でした」
もちこみ企画で超多忙、打合せ中に悪阻で倒れてしまったことも。電車の中で青い顔をしていても酔っ払いを間違えられ、「席なんか譲ってもらえない」と聞いた村松さん自身が不安になり、何かマークがほしいと思った出来事でした。「そのうちに、今度は私が体調をくずして車内で同じ経験をして、初めてつらさが身にしみたんです。妊娠したら体や心はどうなるのか、という知識が不十分なために、人が集まる車内やスーパーなどでトラブルが起こりやすい。周りの反応で確信を深めて動き出したのが四年前でした」
☆★ステッカーも
キャラクター作りに丸一年。複雑にしすぎると一目でわからないし、主張がつよすぎると周りにいやな印象も。「見た瞬間に『かわいい』と思ってほしかった」と練りに練ってのデザイン化です。「軽い気持ちで着てもらえれば」とまずはTシャツ。手紙やペンケース、机んどに貼って即場でも目立つようにとステッカー。「バッグにつけて、アピールしたい」との声に押されてバッジは、すでに約1万個が出回っています。
「バッジを見て『何かしなくちゃだめ』と思う必要はないんです。車内ではみんなすごく疲れているし、会話もない。でも、『このバッジをつけ始めたら、席を譲ってくれるだけじゃなくて、よく話しかけられるようになった』という反響に、そうそうその通りと、思わずニッコリして、ポワーッとした温かい空気が広がればいい』。育児にちょっと疲れ気味だったというママからも、「妊娠中のことを思い出すよい機会になってよかったです。おなかにいたときは、いっぱい産んであげるから早く出てこいって思ってたんだよなあ。がんばらなくちゃ」との声が届いています。
職場ではギリギリまで妊娠を言い出せない雰囲気もあるなかで、管理職からの注文が出てきたのもうれしいといいます。「会社の同僚や後輩に、という男性も増えてきました。高齢者や体の不自由な人への気遣いが生まれたり、譲ってもらったお母さんの子どもが譲るようになったりするかも」と夢はふくらみます。
☆★もっと情報を
「少子化」と騒がれながらも、まだまだ子育てに優しくない社会、通信販売だけでなく、店舗販売や病院・助産師会・自治体などによる配布や宣伝なども始まりましたが、肝心の公共交通機関からはまだ反応がないといいます。
「友人や家族の協力でなんとかここまでこぎつけたのですが、なかなか宣伝が行き届かないのが実情。『このマークをつけた人は・・・』という短い車内アナウンスでもいいんですけどね、マスコミでも子育てのマイナス面ばかり流されがちで、子どもを産むのが怖くなる。『子育てってこんなにいいんだよ』という温かい情報がほしいですね」
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