妊婦さんの
新型インフルエンザ
予防&対策A

「ワクチンについて-1」
取材日:2009/9/15
お話しくださった方:
聖路加看護大学
堀 成美先生

Q.妊婦さんには、優先的にワクチンが接種されますが、これは、「妊婦さんは全員接種する」という意味なんですか?(取材日は、2009年9月15日です)

堀先生
「『私は妊婦だから打たなくちゃ』とか、『強制的に接種されるのかしら?』とか、不安の方もいらっしゃるかと思いますが、ワクチンの接種は強制ではありません。また、そういう不安を持たなくても良いかと思います。
 
 接種するには費用もかかかります。例えば、『お金がかかるから要らない』という判断をされる方もいらっしゃるかと思います。今の時点では、どういう病院で、どのように接種するかも、まだ発表されていませんので、焦ることはないと思います」

Q.妊婦さんの場合、やはりワクチンは接種した方が良いのでしょうか?

堀先生 
「そもそも、インフルエンザのワクチンには2つあって、いつもの季節性のインフルエンザワクチンと今回の新型ワクチンとあります。

 先に季節性の話をしますと、アメリカでは、妊婦さんにはお勧めの対象になっているんですね。ふだんの季節性のインフルエンザの場合は、例えばアメリカですと『妊婦さんは重症になる人もいるので、妊娠のどの時期でも大丈夫だから、ワクチンを接種しましょう』というおススメの対象になっています。日本は、なっていないんですけど。
 そして、妊娠の初期でも真ん中でも終わりの時でも、どの時期に打っても妊婦さんにも赤ちゃんにも、安全であるというデータが出ています。

 今回の新しいワクチンに対しては、まだデータが出そろっていませんので、専門家はハッキリ『これは大丈夫』とか言い切ることはできません。
 ドクターによっても、『ぜひ、お勧めしましょう』と言うドクターと、言わないドクターがいます。

 最終的には『個人で判断してください』ということになります」

Q.では、ワクチンをうつかうたないか決めるのは、自分?

堀先生
「優先的にワクチンが提供されますけども、うつかうたないかは、最終的にはご自身の判断です」

Q.判断に迷った場合、どなたに相談すればよいのでしょう?

堀先生
「かかりつけの産婦人科の主治医になると思いますが、お医者さんが決めるわけではありません。お医者さんも発表された情報に基づいてアドバイスすることになります。
 ですので、その情報を待って主治医と検討する、という方もいるでしょう」

Q.おなかの赤ちゃんに影響はないのですか?

堀先生
「データがあるのは外国でやった季節性のいつものインフルエンザのワクチン。それでは問題ない、ということになっています。今回も基本的に作り方は一緒、と説明されています。
 
 そもそもワクチンなどでは、100%安全という言い方はされません。インフルエンザになったときに『重症化を防ぎたい』ということを重視する方には、とても意味があります」

Q.うーん、悩みますねぇ…

堀先生
「ワクチンをうったからといって、インフルエンザを100%予防はできませんので、そこは難しいところですね
 
 また、妊婦さんだけが気を付けてもだめで、家庭内でうつったりもしますから、ご家族のワクチンとか感染管理も大事です」

お話しは、「ワクチンについて-2」へ続きます。

続きその3「ワクチンについて-2」を読む

その1「予防法は?」
その2「ワクチンについて」(このページです)
その3「ワクチンについて-2」
その4「インフルエンザ?と思ったら」
その5「インフルエンザ?と思ったら-2」」
その6「生活を見直す機会に(専門家の視点から」

このインタビュー(抜粋)はYou Tubeでもご覧いただけます。
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